新しいiMacが自宅に到着した日に、10年間使ってきたMacBook Proの電源が入らなくなった。

自宅のメインマシンとして使ってきたMacBook Pro(13インチ)は、2011年に買った。買ってまだ間もない日に、自宅でMacを使っているときに東日本大震災が起きたので印象的に覚えている。テレビで福島第一原発の中継映像と総理官邸で記者発表する枝野さんを見ながら、Macで開いていたFacebookでは、大学のときの友人たちから「政府は情報を隠している」とか「避難して」という息の荒いポストが次々に流れてきた。あの頃はまだみんなLINEではなく携帯のキャリアメールを使っていて、明らかなデマを含む「このメールを転送してください」という不幸の手紙形式のメールを善意で送ってきた友人もいた。メールの内容は「危険な物質が飛んでくる」だったか「ヨウ素を飲め」だったか忘れてしまったが、私が「それデマですよ」と返信したらわかってくれたみたいだったけど、それが彼女とやり取りした最後かな。そのとき彼女と連絡を取ったこと自体、何年振りかのことだったし。とにかくあのときは、みんな衝撃を受け、社会全体が動揺していた。

閑話休題

そんな感じで使い始めた私のMacBookは、10年間ほとんど電源を切ることもなく使ってきて、まだ日常的に使えてはいたけども、さすがにもっと大きな画面で効率よく作業がしたいので買い替えることにした。iMac(24インチ)を買うことにした。パソコンの性能に詳しくないのでいろいろ調べたりして、新しいMacも10年くらい使いたいと思っているのでパーツをアップグレードして注文するにはAppleの公式サイトでしか買えないことを知り、発売から間もないからか到着まで1か月以上も待たされることに驚きながら、注文を済ませた。それから、前のMacBookの方でフォルダの整理や部屋の片づけをしないといけないな、と思っている内に1か月はすぐに過ぎた。

そのiMacが今日、到着した。まだすぐには開封せずに、MacBookの方で作業をしていたのだが、Fiefoxで数えきれないくらい開いたままのタブを一つずつ閉じていたら、急に死ぬほど動作が重たくなってきた。虹色のグルグルが回りだして、カーソルがマウスの動きについてこなくなり、慌てて立ち上がっているプログラムを終了したり強制終了させたりしているうちに、静かに音もなく、画面が真っ黒になった。

数分経っても画面は復帰せず、USB接続の10キーのランプだけついていたので電源は生きているみたいだったが、どうしようもないので電源ボタンから強制終了。それからいくら電源ボタンを押しても入らなくなってしまった。今までにあんまりない動きだなと不安になりながら、スマホで電源が入らない場合の対処を調べる。電源ボタン10秒長押し。SMCリセット。すると今度は電源が入った!起動に数分かかって立ち上がって、やれやれと安心したのもつかの間、また突然シャットダウン。それからしばらくおいて、何度か試したが、電源ボタンを押すとジャーンという音に白画面にアップルロゴで起動を始めるが2秒でシャットダウン。

え!壊れた?!今まで予兆もなく、さっきまで普通に使っていたのに、このタイミングで。実は瀕死だったのだろうか。Time Machineでバックアップは昨日取ったから、なんとか移行はできると思うけど。
さてどうしたものか、と思いながらこの文章を別のWindowsマシンで書き終わったのが今。


はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」